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創価学会に救われるのは「不幸な人」なのか

「宿命転換」を必要とするのは誰か? 人間革命を読む③

 

 

不幸な境遇にある人は

 そのとき、不幸な境遇にあると考える人間は、なぜ自分だけがこんな目に遭わなければならないのかと考える。自分は何も悪いことをしたわけではない。ただ、貧しい境遇に生まれ、十分な教育も受けていないため、そこから逃れ出ることができないのだ。病にしても、なぜ自分だけがそれに苦しまなければならないのか。世の中を恨み、自らの生まれを呪ったりするが、解決策は何も見えてこない。そうした人間が宿命転換ということを知ったとき、それに強い期待を抱いても不思議ではないのである。

 SOKAnetでは、宿命転換について、「御本尊を信受して、自行化他にわたる唱題に励み、自身の胸中に太陽のような仏界の生命があらわれれば、さまざまな罪業も霜露のように消えていくのです」とまとめている。

「自行化他」とは、やはり仏教の用語で、自らのために仏道修行を行い、それをもって他者を救うことを意味する。創価学会で多用されることばの一つである。

 宿命転換、人間革命を説く創価学会に魅力を感じ、入会した人たちはいったいどういう人たちなのだろうか。それが明らかになれば、なぜ宿命転換が求められたのかが見えてくるはずである。

<『「人間革命」の読み方』より構成>

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  • 島田裕巳
  • 2017.12.09